LOGISTICS TODAYに「LogiPull WES」の記事が掲載されました
2024年問題から2030年問題へ、自動化必須の現場にシーイーシーのWES提案
広く高く、現場自動化の領域広げるLogiPull WES
「物流現場では、2024年問題のみならず、人手不足がピークになるといわれている2030年を見据えた対応が重要課題となっている」(西山)。労働人口の減少が、労働力不足や人件費上昇などの深刻な課題として顕在化する2030年に向けて、物流現場では対応策としての「自動化」が急務である。
では、自動化に合わせてさらなる普及が求められるWES(倉庫運用管理システム)市場のなかで、シーイーシーの「LogiPull WES」(ロジプルWES)の強みとは何か。
西山は「1つ目は、大手製造業の長年にわたる課題解決で培われた機器制御に強みを持つ開発力。2つ目は、バース管理システムを持つ強みを生かして、庫内だけではなくバース部分と合わせたより広い領域での抜本的な効率化を提案できること」と答える。1968年に創業した独立系システムインテグレーター(SIer)としての実績、物流業界におけるバース管理効率化の課題に取り組んできた経験と知見は、WES開発においても他社とは一味違う提案として説得力を持つ。
営業本部 西日本営業部 グループマネジャー
西山 充
法改正で物流効率化の取り組みも義務化され、荷待ち・荷役時間の削減においてはバース管理システムの有用性も改めて注目される。倉庫内の自動化とバース部分の効率化、どちらも同時に進めることで、トラックの入場から退場までの一連の流れでの業務改善を実現し、「2024年問題」と「2030年問題」、両面での解決策となり得るのが、LogiPull WESの独自性なのである。
業務の自動化で求められる、WES導入は必須の検討課題
先進的な企業では自動化機器の導入と合わせたWESの理解も少しずつ進んできた状況だと西山は語る。とはいえ、WESの存在すら知らない、デジタル化途中の中小事業者はまだまだ多い。まずは、そうした事業者にもWESの意義を説いていくことが、ベンダーにとっての大きな課題である。
西山は、「業務の自動化」こそが、WES導入の意義を理解してもらうキーワードだと言う。庫内DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するためには、入出庫、在庫管理、ロケーションや作業工程の改善での業務管理の自動化をすることが求められる。そのためにWMS(倉庫管理システム)を導入する事例も多い。次のステップとして、自動化機器の追加導入も選択肢となるだろう。しかし、このステップにおいて、自動化機器の連携を既存のWMSの機能改修で対応していくか、新たにWESを導入してWMS自体はWESとだけ連携させ、自動化機器との連携はWESに任せるかで、実現できる物流現場の可能性は変化する。
中小事業者における業務の自動化は、ボトルネック工程の解決に向けて1つずつ段階的に取り組むことが現実的だ。事業成長に伴った庫内オペレーションの自動化機器導入、市場の変化に合わせた新しい設備導入など、将来の柔軟な見直しを想定し、スモールスタートでの機器導入とオペレーション設計が必要である。この時、新しい自動化機器導入ごとにWMSの機能改修でつないでいけば、つなぐ機器の種類だけWMSの改修も必要となる。それにかかる費用や期間も莫大になり、WMSの肥大化による生産性低下を招くことにもなる。
「業務系の管理はそれが得意なWMSに任せ、制御系の管理はそれが得意なWESに任せてしまうことで、全体としてのパフォーマンスを高められるのがWES導入の意義。部分最適から、導入機器の見直しや追加などを成長の過程ごとに取り入れ、最終的な全体最適化にWESは不可欠」(柄谷)と、中小事業者におけるスモールスタートにこそ、WES導入がいかに有効であるかを語る。
もちろん多拠点を展開する大手事業者にとってもWES導入の意義は大きい。各拠点で必要なWMS改修を加えるのではなく、WESで拠点ごとの追加機器の連携部分を担うことで、多拠点の統括管理への移行も後押しする。事業規模を問わず「自動化」というキーワードは、WESとの1セットで検討されることが必要となっている。
エリア統括事業本部 西日本サービス事業部
第一サービス部 グループマネジャー
柄谷 昌良
バース管理との連携が象徴する、広い領域での本質的な課題解決提案
WMSから取り込んだ入出荷情報を、庫内作業スケジュールに落とし込み、最適なマテハン機器への作業指示を行うLogiPull WESは、庫内だけではなくより広い領域での業務改善のサポートが可能だ。なかでも、より広い領域での業務の自動化としての独自性が際立つのが、冒頭に紹介した「LogiPull バース管理システム」との連携である。
LogiPull バース管理システムは、予約管理による待機時間の削減、受付スタッフなどの省人化に役立つとともに、車両入退管理、車両誘導などスムーズなトラック動線指示で運転手の労働時間削減やストレス軽減にも貢献する。さらにLogiPull WESと連携させることで、トラック入場に合わせた事前の入出庫・荷ぞろえなど荷役準備指示とのシームレスな連動も実現できる。庫内のみならず、より広い領域をデータとして蓄積し、法改正で求められる効率化の義務への取り組みや、今後の改善点検討に活用することも可能だ。「独自のバース管理システムを持つことで、入場から庫内を経て退場までの全体最適化を提示できることが、シーイーシーならではの強みだ」(柄谷)
SIerとして創業57年目を迎えた同社は、物流現場に特化したシステム開発だけでもすでに20年以上の実績を誇る。ユーザーへのヒアリングを通して、それぞれの課題ごとの業務改善を形にしてきた実績と、機械制御に強みを持つ開発力、提案力こそが同社WES開発の基盤になっているという。マルチメーカー対応可能な連携力に加えて、バース管理という独自の連携領域を持つWESが見据える先は、WESの機能を最大限に活用した、さらなる連携や効率化、より業務の自動化へと連動する物流現場構築である。
縦へ横へ広がる、WESで実現する一歩先の「自動化」物流現場
LogiPull WESの制御による、自動倉庫とAGV(無人搬送車)連携で実現する物流現場ではどんなことが可能になるのか。
まず、適切なタイミングでの自動指示に従い、AGVが自律稼働で搬送開始する。搬送先では次工程の自動倉庫へとAGVが自動で連携し、自動倉庫へのケース投入まで完了。自動倉庫は出庫指示を待ち、指示に応じた検品と出庫作業へと自動で作業をつなげる、そんな自動化現場がイメージできる。こうした緻密な機器連携も、LogiPull WESならば構築が可能だ。一気に導入するにはハードルの高い広範囲の自動化も、工程ごとに接続していく過程をイメージすることで実現の道すじも見えてくるのではないか。
AGVとエレベーターを連携させれば、垂直方向への連携へと広がる自動化も実現できる。多層階での荷物の自動上下搬送などもWES制御でスムーズに連動させることが可能だ。2階の保管エリアからAGVが品物を搬送、エレベーター前の到着検知、エレベーター呼び出し、乗り込んで1階で降車、出荷バースへの搬送まで、1フロア同様のAGV搬送を自動化した現場となる。
また、出荷車両の到着順と自動倉庫の出庫指示にずれが生じた場合など、ドライバーの受付タイミングに応じて自動倉庫に最適な出庫指示や荷ぞろえの準備ができれば、入退場やバース部分までのより広い領域の自動化、まさにLogiPull WESの得意とするところとなる。庫内のマテハン、バース管理、多層階の運用など縦へ横へと連携を広げることで、実現する自動化現場の景色は無限に広がる。
同社にとっての喫緊の課題は、引き続きWESの認知度向上となるだろう。ただ、「2030年問題が顕在化することで、遅かれ早かれ、WESが必要にならざるを得ない状況がやってくる」(今村)とも予想する。WESの意義を理解せずに、継ぎはぎのように部分最適を進めて「困難な経験」をすることで、そこで初めてWESの価値に気付くケースも出てくるかもしれない。
「WESについての理解を深めていくことは、企業にとってのリスク管理とつながる部分もあると考えている。自動化や、DXの取り組みを誤った方向に進めてしまうことで、取り返しのつかない状況に陥る企業が増えることを避けるためにも、WESがDX戦略の重要な要素であることを広く浸透させていきたい」(今村)
エリア統括事業本部 西日本サービス事業部
第一サービス部 部長
今村 純
※所出 LOGISTICS TODAY
掲載元:https://www.logi-today.com/619668